今世代のAIはすでに研究開発の域を出て、適用分野拡大のフェーズに入った。これまでも、軍事利用含めてさまざまなAI利用アプリケーションを紹介してきたが、さてその企業内マネジメントはどうなっているだろうか?今回<Forbes誌>の記事で、面白いものがあった。
企業に増える「最高AI責任者」 業務内容と報酬は | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
XX責任者である<CXXO>の種類は、増殖の一途。私の専門領域でも、
・古典的なCIO
・データ活用に注目が集まってCDO
・企業リスクが高まってCRO
・中でもサイバーセキュリティについてはCISO
がすぐに数えられる。そこに新顔<CAIO>が加わったという記事だ。ストックオプションを含んだ平均年俸は2億円弱。なかなかの高給である。
肝心の役割だが、この記事では、部門間連携を最初に挙げている。R&D部門だけではなく、マーケティング、データサイエンス、エンジニアリングなどを有機的につなげて最大効果を発揮させるということ。多分、通常の管理部門(財務・人事・法務等)との連携も必要だろう。総じてAI技術者は、他の部門とのコミュニケーションが苦手だから、それを組織としてカバーしなくてはならない。以下、
・倫理、規制の遵守
・人材管理、育成
・技術評価とイノベーション
・パフォーマンスの測定と最適化
・会社を代表しての社外活動
が挙げられていた。読んでみて、これってAIをITに置き換えても、まったく同じだと思った。確かにAIベンチャーの創業者が私に「いずれすべての(IT)システムはAI利用になります」と言った(*1)のは、その通りだと思う。
またAIをサイバーセキュリティと置き換えても、ほぼ同じである。CIOとCISOの関係をこれまで論じてきたが、これからはCAIOも仲間に加えないといけないようだ。