梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

「AIの定義」を今こそ(2)

 「AIの定義」を考えなくてはと、私が思ったのは2020年ごろ。国内の話ではなく、やはり欧州委員会との議論の場でだった。

 

欧州が示したAIの定義 - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 で紹介したように、通常システムまで全部を包含するような定義を主張されて、

 

「データを自ら収集し、それに基づいてアルゴリズムやルールベースまで自動的に書き換えるシステム」

 

 くらいにしてくれと言うと、2021年に公表された「欧州AIパッケージ」の中で、

 

        

 

◆AIとは以下に示す技術やアプローチの一つ以上を用いて開発され、人間が定義した目的に対して、コンテンツ、推奨、予測または相互作用する環境に影響を与える決定などをアウトプットとして生成することができるソフトウェア。

1)深層学習を含む多様な手法を用いた機械学習アプローチ

2)論理・知識ベースのアプローチ

3)統計学的アプローチ

 

 と示されていた。ちなみに欧州委員会が参照したOECDの案は、

 

「人間が定義した目的のために、現実や仮想の環境に影響を与える予測、推奨、決定を行うことができる機械ベースのシステムで、様々なレベルの自律性をもって動作するように設計されているもの」

 

 なので、これで何がまずいと思ったのか、その差異が良く分からない。その後、どのような議論がなされたか、特に欧州委員会からは直接聞いていないので不明である。一般的にどう定義されているのかと<bing>に聞くと、2004年のIBMのJohn McCarthy 氏の論文を紹介してくれ、

 

「知的なマシン、とりわけ知的なコンピューター・プログラムを作るサイエンスおよびエンジニアリング。 人間の知能を理解するためにコンピューターを使用するといった作業に関連するものだが、AI は必ずしも生物学的に観察可能な方法に自己を限定しない」

 

 とあることを教えてくれた。

 

<続く>