各国の成長率が鈍化している中、「失われた30年」だった日本経済に成長の兆しが見えてきた。4~6月期のGDP成長率が年率換算6%を越えていることがその証だし、これからへの期待も、
・大企業中心に大幅ベースアップ
・初任給1,000万円以上の待遇も
・公務員夏のボーナスは10%近い伸び
と消費マインドを刺激する話が多い。欧米に比べると、比較的インフレがおだやかなこともプラス材料だ。ただ、これまで一般従業員よる優遇されていると考えられていたITエンジニアが、処遇に不満を持っているとの記事があった。
ITエンジニアの給与「年収500万円~600万円」が最多も…4割超が“給与に不満”〈アンケート調査結果から見るそのワケ〉 | ゴールドオンライン (gentosha-go.com)
確かに人気のITエンジニアという職だが、その内容は多岐にわたっている。以前、奥の院で指示されたプログラムを書いているだけでは生き延びにくいから、お客様に近い存在になるべしと紹介した。
IT産業人の生存率 - 梶浦敏範【公式】ブログ (hatenablog.jp)
高度な技術が必要と見えるかもしれないが、純粋なプログラマーの付加価値は高くない。いくらでも若い人材が入って来るし、外国人との直接競争にさらされる。さらに生成AIの登場によって、いわゆる人月商売は根幹を揺るがされている。
ITエンジニアとしては、自らを変革していかなくてはいけない。お客様との距離を縮める(例:上級SE)のもひとつだし、ダブルメジャーとしてもう一つの専門を持つこと(私の場合だと政策✕IT、他に財務✕IT、経営✕ITなど)も選択肢。「いや、俺純粋に理系だから」という向きには、例えばサイバーセキュリティ能力を付けることを勧めたい。
サイバーセキュリティの重要性が増しているのは自明だが、要員は不足している。
日本企業の9割が「セキュリティ人材不足に課題」‐ 米豪は1割程度 | TECH+(テックプラス) (mynavi.jp)
政府も民間も、教育プログラムや優遇策は採っていて、セキュリティ人材を目指す道は拓かれている。いずれにしても従来型のプログラミングなどに固執していては、大きな飛躍は望めない。多くのITエンジニアに挑戦をして欲しいと思っている。