一時期、少しは期待していた「ライドシェア解禁」、結局は中途半端な結果に終わりそうだ。今年久しぶりに海外出張に行き、オーストラリアで何度も「Uber」を利用した。非常に便利な交通手段であることは、いまさら繰り返す必要もあるまい。しかるに日本では、そのシステムが「白タク」として取り締まられてしまう。
河野大臣や小泉元大臣、菅元首相らが提唱してくれて、今度は解禁に向かうかと思っていたのだが・・・。詰めはこれからだが、方向性として、過疎地などで例外的に認めている「自家用有償旅客運送」をベースに、
・運行はタクシー会社
・第二種運転免許が無くても輸送従事者になれる(タクシー会社に雇われる形)
・都市部や観光地でも営業できる
ようにする。小泉元大臣らが求めている「タクシー会社からの業務委託を個人で受ける」のは難しそうだ。これを半歩前進と見るべきか、中途半端と見るべきか?
これだけインバウンドの観光客が来ているのに、ライドシェアなしで外国人旅行者は困っているのではないかと思ったら、ちゃんとやっていたようだ。
ブッキング・ドットコムが国内空港で「白タク」斡旋【独自】 - TRAICY(トライシー)
確かにこの旅行サイトでは、宿泊予約をするとタクシー手配のページが必ず開く。サイトで予約や支払いを済ませて、私たちがシドニーなどの空港でしたようにアプリで指定された車に乗り込むわけだ。
ところが先週、中国人運転者が「白タク」容疑で逮捕されたとの記事(*1)が出た。しかも6ヵ月も前の事件。これについては、政府のライドシェア検討に対する何らかのメッセージと見るべきだ。
1)もう実績積んでいるから、ライドシェア議論を加速しましょう
2)違法行為を厳しく取り締まるため、規制緩和はほどほどにしましょう
のどちらが言いたいことかというと、多分後者だろう。なぜこんなに時間がかかり、抵抗勢力が出てくるのか?結局は「新ビジネスへの感情的反対」だとの説(*2)もあるのが情けない・・・。
*1:白タク容疑で中国籍の男を逮捕 「友達」と説明、客は「知らない」:朝日新聞デジタル (asahi.com)
*2:シェアライド議論の背景にある、新ビジネスに「感情的に反対」ばかりする日本人の「損」な気質|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)