個人が所有している自動車を使って、移動手段を提供するサービス「ライドシェア」。私たちが訪れる国では、ごく普通のものになっている。5月のオーストラリア出張では、ずいぶんお世話になった。特にブリズベン空港からゴールドコーストのホテルまで50分ほどかかったが、豪華なEV車で送ってもらいとても快適だった。お値段の方もリーズナブル。
そんなサービスが、日本では「白タク」扱いで禁じられている。今その解禁をしてはどうかとの議論が始まっているが、与党議員に慎重論が多いという。
自民議連、ライドシェアに慎重論 タクシー業界も反対 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
正直「未だに何を言っているのか」との思いだ。この問題が(ひさびさに)浮上したのは、外国人観光客が増えてオーバーツーリズム気味、タクシー不足が顕在化したからだという。
にもかかわらず、タクシー業界も他分野同様人手不足。車はあっても乗務員が足りなくて、増車できない。他の公共交通機関も乗務員不足は深刻で、列車やバスの運行に支障が出ている。ならば、今こそライドシェアを導入し、タクシー業界から路線バスなどの運転士を廻してもらったら多くの課題が解決するのではないか。
一部議員やタクシー業界が指摘する「安全性」にしても、海外で体験したことからすれば、ライドシェアの方が「安心」できた。インターネットでやってくる運転手と車の評価は確認できる。もちろん乗客の方も評価をされるのだが・・・。
乗客が銃を持って乗って来るかもしれない、運転手が突然強盗に変わらないかなど、日本よりずっと危険な米国で急速に広がったサービスであることを認識して欲しいものだ。この業界は「初見」が普通。デジタル技術によって、最適なマッチングができるようになった今、外国人の利便性向上だけでなく、
・過疎地など地方交通の確保に
・「流し」のタクシーなどというエネルギー浪費対策に
役に立つのだから、今すぐ日本でも導入すべきである。