梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

IT協会のサイバーセキュリティ研究会

 (財)企業情報化協会(通称IT協会)は、企業のDXなどを促進するためのイベントや勉強会を多数企画・実施している。私もいくつかの企画に参加させてもらっているが、中心となっているのは「サイバーセキュリティ戦略マネジメント研究会」。今年で第9期を迎える会合で、4年連続でコーディネータを努めている。

 

 毎年秋から冬にかけて、5~6回リアル&オンライン形式で開催されるが、プログラムとしては、

 

・2人の有識者や実践者が講演をして

・研究会メンバがチームに分かれて討議

・各チームの代表者が2人の講演者にコメントし質問をする

 

 もの。3時間の間、この進行役をするのがコーディネータの仕事。会合内だけではなく、毎回どのような講演者を呼んでどんな話をしてもらうかについて、事務局とすり合わせもする。

 

    

 

 事前に研究会に参加意向のある企業に聞いたところ、

 

サプライチェーン

・人材育成

・先進的企業の取組

 

 など定番のテーマのほか、

 

・生成AIのリスク

・防衛三文書改訂の影響

・経済安全保障法制への対応

・セキュリティクリアランス制度の見通し

 

 を聞きたいとの声があった。これらのテーマはまだ見えていないことも多い(から関心が高い)し、専門家に1コマ話してもらうのもつらい。そこで、これらのテーマをまとめて、現状認識や見通しを私がお話することにした。

 

 初回のもうひとりの講演者は、総務省の幹部。実は20年間の付き合いがある。彼は政府全体のサイバーセキュリティ政策、総務省の施策のほか、ITユーザとしての総務省での取り組みを話してくれた。その後、私が上記のテーマを話して、グループ討議に移った。討議後のQ&Aも非常に活発、時間を10分超えて議論が深まった。

 

 4年前から比べると、参加者(社も)がほぼ倍増している。今回は外資系のベンダーからも参加があった。心強く思ったのは、1/5以上が女性の参加者だったこと。この業界はどうしても男性に偏りがち、イベントをするにも女性の登壇者を捜すのがとても難しい。「次世代は、少なくともダイバーシティに関しては、明るいかな」と総務省の友人と話し合って、会合を終えた。