「COVID-19」禍は、財政的にも異常な事態だった。過度な(とその時には思わなかったのかもしれないが)バラマキによって、国の財政赤字は飛躍的に増えた。国債残高などとは比較にならない金額ではあるが、各種基金がこの時代に膨らんだことは確かだ。すでに昨年、この記事は基金の異常な増加に警鐘を鳴らしている。
コロナ禍で急増の国の「基金」...非効率、不明朗な運営相次ぐ ゆるみきった財政のタガの締め直し、容易でなく: J-CAST 会社ウォッチ【全文表示】
2019年度末に2.4兆円だった基金総額が、2022年度末には16.6兆円まで増えたとある。景気対策やリスク管理のためのお金なのだろうが、使われたわけではないので、GDP等の指標には影響しない。190ほどもある基金には管理コストもかかるので、政権としては見直しを始めていた。
その結果、10の基金が廃止され国庫には千数百億円が戻って来る(*1)という。廃止される基金の例は、
で、GX系のものばかりだ。仮に1,660億円が返納されたとしても、それは基金総額の1%に過ぎない。「COVID-19」禍で7倍以上に膨らんだ基金の収束というには、あまりにお粗末だ。
さて、どんな基金があるのかと内閣府(*2)について調べると、革新的研究開発促進基金が2種、中小企業イノベーション創出基金が3種だった。後者など経産省(中小企業庁)の領分ではないかと思ったのだが、農業関連のものもあったので内閣府で積んだらしい。
僕が理解しやすい経産省のも見た(*3)が、枝番含めて61種もある。ここではGX関連のものが目立ち、DX関連はあまりない。ちょっと残念だし「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発」はなぜ総務省じゃないのだろうと、不思議に思った。ただ造成法人(管理者)が<新エネルギー産業技術総合開発機構NEDO>だったから、経産省で積んだということ。
膨らんだ後始末だけではなく、例えば今後重要になるサイバーセキュリティ関連の基金もないし、デジタル系が弱い点を含めた一層の見直しが必要だろう。
*1:国10基金「無駄」判断、廃止へ 千数百億円を国庫返納|47NEWS(よんななニュース)