昨日に引き続き「放送と通信の融合」の話を。NHKは受信料で成り立っている・・・では民放はというと、こちらはCM収入が中心。人気ドラマやバラエティ番組で視聴率を競っているのも、それがCM収入に反映されるからだ。ただかつてのようにCMが新聞や週刊誌のような紙メディア、放送といえばテレビかラジオしかなかった時代ではすでにない。ほとんどすべてのメディアは、ネット上で実現できてしまう。そんな時代のTV局のCM収入が伸びているとは思えない。
実際、2019年からの3年間で、キー局5社のCM収入は2割減ったとも伝えられる。それをカバーしているのが、動画配信サービスの収益らしい。キー局はいくらか「放送と通信の融合」にビジネス追従できるとしても、地方局はそうはいかない。自前のコンテンツなどほとんどないし、サイバー空間で「地元」は意味がないからだ。
地方局は「オワコン」か? “TVerにない価値”を作るための課題整理 稲田豊史のコンテンツビジネス疑問氷解|ビジネス+IT (sbbit.jp)
確かにキー局の番組を流しているだけでは、存在価値は薄れるばかり。では無くしてもいいのかというと、問題もある。例えばカナダだが、6月に「オンラインニュース法」を定めて巨大ITがニュース配信をタダ乗りさせないようにした結果、Googleは協議中だが、Metaは自社サービスでのカナダのニュース配信から撤退している。
ところが相次ぐ山火事の情報が市民に届いていない事態になり、危機管理上問題だとしてトルドー首相がMetaを非難した。
カナダ首相、山火事被害巡りメタのニュース配信停止を厳しく非難 | Reuters
察するに、カナダでは地方局なるものが無くなったか利用されないか、巨大ITに市民が依存していたのを「オンラインニュース法」で情報遮断をしてしまったことになる。地方局にニュースを依存している市民は、日本にも多いはず。経営が厳しくなる一方の地方TV局を重要インフラとして(公金等で)支えるべきか?議論が必要だと思います。