マイナンバーと言えば個人番号のことしか報道されないが、実は法人にもマンナンバーがある。付番しているのは国税庁で、
・行政の効率化や利便性向上
・公平、公正な社会の実現
・新たな価値の創出
が目的で導入されている。具体的には、法人の納税や還付、労働保険などの手続き時に記載が義務付けられている。個人と同じで、法人のデータ(社名・本社住所・連絡先・経営陣・資本金等)が複数の府省や銀行、取引先などに登録されているが、それらが常に最新にUPDATEされているかどうかはわからない。社名などが似通っているケースも多く、間違いを起こさないためにはユニークな番号での管理を関係先全てで行えるべきなのだ。
例えば、今回金融庁・日銀は、企業向け融資の状況を一元管理するシステムの導入をするという。
金融庁・日銀、融資データ常時把握 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
今年米国で銀行破綻が相次ぎ、金融不安がささやかれたことがある。不良債権を抱えているとの情報で、預金を引き出されて破綻に至ったものだ。日本でも金融機関の「総点検」が必要だとの意見が出た。しかし、日本には100を越える銀行(*1)があり、個別に数百万社もの企業に融資などしている。
これらの状況を、個別に聞き取っていたのが従来システム。それを情報を一元化して、企業への融資の実態を常時チェックできるようにしようというものだ。ひとつの「社会的なDX」と言える。このようなシステムを設計するにあたり、法人マイナンバーのように「確固たるユニークな番号」が存在したことは、大きな助けになったと思われる。
政府は、このような「統一番号」のメリットをもっとアピールすべきだろう。ただ、情報を一元化して金融面のリスクの目を摘める一方、当該システムへの攻撃により企業や金融機関の情報が改ざんされて不都合なことが起きないような守りは必要だ。
「リスク低減を計る新しいシステム導入に伴う新しいリスク」
にも対応すること(DX with Security)をお忘れなく。