デジタル政策の世界に20年以上身を置いていて、一番悩んでいるのは「政治の世界自体がアナログ」なこと。マイナンバーの活用が進まないとか、紙の書類による申請が義務付けられているとか、表面上の議論は多いが本質には届いていない。選挙だって、ポスター・リアル集会・街宣で得た情報をもとに、有権者は足を運んで投票する。直接買収などに使わないにしても、政治にはカネがかかる(*1)。
選挙のデジタル化を思っていたら、YouTuberが選挙をジャックするような悪い面ばかりが先行している。デジタルに詳しい政治家も多くはなく、デジタル面での政治改革は起きそうもないと、半ばあきらめていた。
ところが、20日公示の東京都知事選に、一つの希望が見えてきた。20名を超える(*2)候補者が乱立する中に、こんな人がいた。
この記事にある「GitHubを使ってだれでも政策提言可能」という公約(?)にはしびれた。選挙自体はアナログから脱するのに時間がかかるとしても、政策決定プロセスはデジタル化して透明度を極限まで上げることが可能だ。
この考え方を中心に据えれば、
・料亭での密室談合
・データを無視した利権のゴリ押し
・地方の意見を聞くと称して遊説に明け暮れる議員
・地方議員含めた政党下部組織を支えるためのお金
の意味が薄くなる。まだまだ候補者としては注目度が低い安野氏だが、選挙戦での健闘を祈るとともに、この考え方に賛同してくれる現職議員や、業界団体が陸続と出てきてくれることを望みたい。もちろん、私も微力ながら応援させてもらうつもり。
*1:政治資金規正法改正の茶番に想う - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)
*2:某党が20名もの候補者を推薦するようだが、これらは候補者と認めたくない