日本の総選挙が終わった。その結果については(政治学は専門ではないので)コメントしない。ただ、ほとんどすべての政党が国民生活の窮乏を唱え、いわゆるバラ撒き政策をアピールしたことには幻滅している。MMT理論を掲げ、自国通貨であればどれだけ増刷してもデフォルトしないという主張には、ただあきれるばかりだ。
歴代政権が行ってきたポピュリズム的政策によって、国家の累積債務はGDP比200%に至っている。目を世界に転じてみると、地球全体で政府の累積債務はGDP比100%、総額100兆ドルを越えそうだという。
世界の公的債務、今年100兆ドル突破へ 増加加速も=IMF | ロイター
先進各国は憲法などで政府債務の上限や条件を定めているが、市民が「もはやパイが大きくなることは期待できず、自分により多く割り当てるように」政治に圧力をかけているのだ。配分変更には反対意見も根強く、結局総支出(総債務)増を甘受することになる。
助成金や給付金を受け取ったり、減税対象となった人は当座はいいのだが、最終的には債務は全市民に降りかかる。政府がどう行動しようが、
という、財務官僚の言葉は重く感じられる。各国政府がちゃんと有権者に向き合わない限り、ずるずる債務が増えるのは間違いがない。
資本主義にはフロンティアがないと成り立たない。平たく言うと、どこかを搾取して儲けないと前に進まない(*1)との主張をする経済学者がいる。古くは植民地などを搾取してきたが、それも尽きてきた。すると米国などは金融という世界を新しいフロンティアとして、経済を大きくした。それも限界に達して、サイバー空間を新フロンティアにしたビッグテックも現れた。
もはや新しいフロンティアも尽きたのではないか。とすると、無くなってしまったフロンティアの代わりに各国政府が搾取される役割を(国債を発行して)担っているということではないのだろうか?
ちなみに、最終的に搾取されるのは政府のバックにいる市民なのだが・・・。