梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

米国のConnected Car規制案

インターネットにつながる様々な機器のリスクについて、再三申し上げてきた。以前からリスクはあったが、今年はそれに関する報道が目立つ。洗濯機が大量のデータ転送をしていた話(*1)などは、何に使われているかわからず気味が悪い。 今月には、武装組織ヒ…

株主そのものの体質改善

3年に及んだ岸田政権も今月で終わる。防衛費増、G7サミット、異次元の少子化対策、派閥解消など多くのエピソード(功績)があった。ただ当初掲げた「令和の所得倍増計画」は「金融所得倍増」にすり替わってしまった。もちろん、金融所得だって増えればうれ…

犯罪集団に資産凍結の制裁

正直「ようやくやってくれたか」との思いだ。2016年にバングラデッシュ中央銀行からSWIFT経由の不正送金があり、1億ドル以上が窃取された。北朝鮮の犯行と言われ、金融関係者には衝撃が走った。それ以降も、北朝鮮の犯罪集団による仮想通貨(暗号資産)の窃…

DX時代からAI時代への雇用変容

最終盤を迎えた、自民党総裁選挙。候補者が多い分数多くの政策が論じられるのはいいことだが、どうしても焦点が絞れず散漫になる恨みも残る。その中である候補者が「解雇規制の見直し」に言及して、論議を呼んでいる。「副業を認める社会」という主張もある…

サイバートラックに出来るなら

「誰もバイデンとカマラを暗殺しようとしない」などと、自らのSNS<X>に投稿(*1)し、大統領警護隊から「脅迫に当たらないか」との容疑で捜査されるなど、お騒がせが止まないイーロン・マスク氏だが、本業は何だったかというと、一つにはEVメーカー<テス…

遠隔爆破による対個人テロ

誰がやったのかについては、まだ分かっていない。しかしなぜ、ははっきりしている。レバノン拠点の武装勢力ヒズボラの勢力を削ごうとする、対個人テロである。大規模な暗殺行為と言ってもいい。 レバノン連日の爆発、20人死亡 「日本製の無線機」、450…

TOP Secret が漏れていたかも

安全保障上の機密を民間人まで含めて護るための「セキュリティ・クリアランス制度」が日本でも導入される。先の通常国会で成立した関連法案の担当大臣は、今自民党総裁選を戦っているお二人(小林鷹之・高市早苗)である。 この制度はどんなものか、3年ほど…

2つの資本主義、日本はどこへ?

米国大統領選挙の記事が少なくなるほど、自民党総裁選・立憲民主党代表選の話題がメディアを席巻している。各候補者から、外交・安保、社会福祉、天皇家、原子力・環境、税負担などの政策が語られている。党内でも相互に批判していることもあり、活発な政策…

ファクトチェックのコスト負担

米国大統領選挙で最大のイベントだった、ハリス対トランプのTV討論会が終わった。総じてメディアの評価は「ハリス副大統領の判定勝ち」だが、実況中のXアカウントではトランプ擁護派の意見が多かったという。例によってトランプ前大統領は嘘を重ね、司会に…

選択的夫婦別姓議論の背景

自民党総裁候補、小泉進次郎氏のキャッチフレーズは「決着」なのだそうだ。その中でも、 ・1年以内に法案を出す ・ただし党議拘束はかけない とかなり具体的な提案をした政策が、選択的夫婦別姓問題。その推進を求める経団連に、推進して決着させると約束し…

意外にあっさり「改善に努める」と・・・

先月、フランスの空港でSNS<テレグラム>創業者パヴェル・ドゥロフが逮捕された。日本ではあまり馴染みのないSNSだが、1対1の秘話(*1)ができたり一定期間でメッセージが消えるなど、犯罪にはもってこいの仕様。ディープフェイクポルノ、児童ポルノ、麻…

堺屋思想の原点に立ち返って!

せっかく自民党が失点を重ね、立憲民主党も党内がゴタついているのに、野党第二党日本維新の会が冴えない。この人だけが悪いわけではないが、馬場代表体制になってからダッチロール気味だ。 ・不祥事を起こす国会議員や地方首長 ・第二自民党でいいとの発言 …

知的部門の米中デカップリング

何度か「複雑に絡み合ったサプライチェーンがあり、米中デカップリングなど不可能」と申し上げてきた。しかしいくつかの分野で、それは少しずつだが進行している。ヒト・モノ・カネ・情報について、 ・ヒト 欧州からのフライトが減るなど、少しだけ減ってい…

IT予算のうち1割が目安

この日、国名は明かせないがある国の大使館主催のクローズドな勉強会に呼ばれた。サイバーセキュリティの時事問題を話し合う会合で、日本の政府関係者や大手企業も参加していた。主に、組織のCISOが集まったような会議。 ゲストで呼ばれた日本の大手金融機関…

卑劣な犯罪「ディープフェイク」

AIの悪用の中に、偽画像・映像を簡単に作るという犯罪がある。「ディープフェイク」と呼ばれるもので、特に性的偽映像を実在の人物の画像をもとに作成し頒布するのが目立つ。なぜか、韓国でこの種の犯罪が横行している。プラットフォームとなっているのは、…

政治とSNS、過去・現在・未来

膨大な利用者をもつSNSは、もはや巨大メディアである。しかも編集者がいないか、編集はめったに行われないものなので、偏った情報や全く嘘のものでも流れてくる。そこで、運営事業者にコンテンツの管理を求める「コンテンツモデレーション」という考え方(*1…

さすがは、訴訟大国アメリカ

企業との契約は、一体どの範囲になるのだろうか?これを考えさせられる事件があった。多くの企業は多様な事業を持っていて、例えば個人へのサービスでも同一企業が複数のサービスをしていることは珍しくない。でもユーザ側は提示された契約は、当該サービス…

レガシーチップ製造業も囲い込み

先端半導体は重要戦略物資で、米国は製造装置とともに有志国以外への輸出を禁じ、日本やオランダにも禁輸措置を守るよう求めている。では、先端でない半導体はどうか?いわゆるレガシーチップというもので、すでに多くのモノに内蔵されている。半導体単体で…

政策の話ができない理由

米国大統領選挙の投票日まで、あと2ヵ月となった。ハリス副大統領対トランプ前大統領の戦いは、まだ混とんとしている。第三の候補ロバート・ケネディJrの撤退&トランプ支持は、もともとケネディ家が民主党だったのだから、 ・トランプ側に流れる票 ・ハリ…