恒例の「骨太の方針2024」が閣議決定された。これは7月から始まる来年度予算編成の基本指針になるもので、半導体産業支援のように大きなものでなくても、ある種の文言が入っているかどうかで、財務省査定が変わってくる。
霞ヶ関関係者は目を皿のようにしてこれを読むのだが、メディアも当然大きく取り上げる。今回の方針については、あまり評判がよくない。特に「プライマリーバランス(PB)黒字化」の文言が入ったことには、批判が殺到している。
・大増税の布石だ
・市民を犠牲にする財政規律
などなど、拡張財政を望む政党・メディア・経済学者らから非難轟轟である。ただ、こんな記事もあり、私の意見はこの筆者にそれに近い。
骨太の方針に「PBの黒字化」明記で批判続出。では、しないとどうなる? IMF管理で破綻処理に!(山田順) - エキスパート - Yahoo!ニュース
記事の最後に示されている、IMF管理下になった時の行政コストカットや大増税は、恐ろしいが、これで済まない可能性もある。IMF自体の財政規模が、日本ほど大きな国の破綻には対応できない(*1)のだ。そうなれば、預金封鎖もあるだろうし、消費税も20%では済まないだろう。
そうならないためには、まず財政再建。PB黒字化は、その第一歩である。この2年、骨太の方針にはPB黒字化の文言はなかったのだが、実質的にはこっそり入っていた(*2)。ほんの1行「本方針、骨太方針2022、骨太方針2021に基づき・・・」とあって、骨太方針2021にはPB黒字化が入っていたというトリック。
まあ、今回はそんな姑息な手段は使わなくても、正々堂々「黒字化」を掲げられた。岸田政権はレームダックとの見方が多いのだが、やるべきことはやっているとの評価もできるだろう。