先週、証券会社の人と話をしていて「NVIDIA株まだ上がりますよ」と言われた。その時点で1株500ドルほどだったのだが、750ドルまでは行くという。この数ヵ月で株価は上昇し続けていたが、売上高・営業利益が急増、自社株買いも増えて絶好調である。
日経平均は4日続伸、エヌビディア好決算で半導体株に買い | ロイター (reuters.com)
業績好調の原因は、同社が絶対的な強さを持っているGPU(Grafic Processing Unit)という半導体。一般的なCPU(Central Processing Unit)が1入力1出力の機能を持っているのに比べ、複数入力複数出力つまり並行処理が可能なのが特徴(*1)。従って、1台のGPUユニットが、多くのCPUの塊に匹敵する能力を持つのだ。
そもそもは、画像処理のような特殊用途に使われたのがGPUの始り。100✕100画素の計算を1CPUで処理すると、1万サイクル動作させないといけない。しかし100✕100の並行処理能力を持つGPUなら、1サイクルで処理が終わってしまう。
ただあくまで特殊用途なので、需要は大きくなかった。需要が少なければ、単価も下がらない。画像処理以外のアプリケーションが見つかるまでは、ニッチ製品(&技術)だったのだ。それがAIの発展によって、前途が拓けた。大量のデータを学習するためには、データの並行入力&処理が有効だったからだ。
GPU側の技術も進歩していて、今は3次元画像の処理(例えば100✕100✕100)もできるから、うまくニーズとシーズがフィットした。以前紹介したように、半導体とひとくくりにして産業振興すればいいというものではない(*2)。アプリケーション、つまり何に使える半導体かを考え、今後伸びる(役に立つ)分野の半導体に投資するのが、王道である。