従来型の健康保険証を廃止する件、現時点で岸田政権は来年秋という期限を延期することは考えていないようだ。理由は従来型の保険証のセキュリティ性の甘さにあることは、私のには自明に見えるのだが、これも公式には認めてもらえない。また、マイナンバーそのものの設計を「見えない番号」としたために、数々のトラブルに見舞われていることも、認めているようには見えない。
個人の4属性(住所・氏名・生年月日・性別)で人物の特定や同一性の確認をすべきところ、属性全部を使っていなかったり、確認作業に間違いがあったり、漢字の異字体などで確認できなかったりして「○○件のミスが見つかりました」と連日報道される羽目になっている。今年の秋までに「総点検」と自治体に無理難題を押し付けているが、何時まで経っても終わらない「無間地獄」のようだとする識者もいる。
データを付き合わせてチェックするには、何か確実なデータが無くてはいけない。このケースでは、確実なデータは12ケタのマイナンバーである。これをキーに他のデータを紐づけ、齟齬のあるもの(*1)を見つけ、どのデータが正しいかを確認していくのが当たり前。それを今は、齟齬があるかもしれないデータ同士を突き合わせているから、人為的ミスがゼロだとしても、間違いが無くなるはずはない。
こんなデータベース設計としては基本の事柄を、なぜ政権は見て見ぬふりをするのか?この書では「政治家の仕事は勇気と真心を持って真実を語ること」との言葉が紹介されていた。
勇気をもって真実を語る - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)
今こそ岸田総理も、河野デジタル大臣以下関係閣僚も、勇気をもって「マイナンバーを見えない番号にしたのは間違いでした。見える番号として制度設計をやり直すので〇年待って欲しい」と言ってもらえないだろうか?
見える番号をマスターデータとして、あらゆる組織が人の特定や自己保有(個人)データの確認や利用ができるようにすること。こうしなければ、現在の騒動は収束しない。収束したように見えても、いずれ再発し混乱を引き起こすだろう。
*1:例えば3年前までの住所と今の住所