この日、米国大使館で日米のサイバーセキュリティ関係者が集まった会合が行われた。会合が終わって、夕方から大使公邸でレセプションもある。写真付きIDと送られてきたQRコードを持って、虎ノ門ヒルズ駅から歩いて行った。かなり登りがきついので、ホテルオークラの宴会場入り口(B1F)からエレベータに乗って、メインロビー(5F)へ。玄関を出ると、そこが大使公邸。要するにビル6階分高低差がある。
レセプション会場では、先日ACCJの独立記念日パーティで知り合った二等書記官が出迎えてくれた。その後、続々と人が集まってくる。久しぶりに会う人も含めて多くの関係者に会えた。この会は、現状の意見交換をするのと、新しい知己を作るのに最適な場所。最近赴任したという二等書記官が、日本人を片端から捕まえて名刺交換していたのが印象的だった。
やがて、エマニュエル大使が通訳を伴ってマイクの前に立った。すでに8月に来月退任と伝えられていた(*1)が、2022年に赴任してからあしかけ3年間は有意義だったと述べ、特にサイバー分野での日米協力は進展したと胸を張った。ユダヤ系で、毒舌家、タカ派(*2)と評せられる大使だが、サイバー分野への傾倒は強い。
いつのことを言っているかは不明だが、中国のハッカー(APT?)が米国の重要インフラに侵入した件に憤りを見せ「日本は米国の失敗に学び、サイバー攻撃に(社会を揚げて)備えるべき」と強調した。
今まさに米国大統領選挙が行われていて、どう転ぶかを世界が見守っている。米国は通常戦力でも核戦力でも世界一と言われるが、サイバー分野(SIGINT等)では民間企業の能力も含めて頭抜けた世界最強である。日米同盟を批判的に見る人もいるが、少なくともこの分野での日米協力は必須であることは間違いがない。幸い米国大使館もサイバー分野のイベントを毎月のように開いてくれる。微力ながら、私も引き続き参加させてもらいたいと思っている。
*1:豪腕の駐日米大使、割れる評価 両国関係を強化、物議も数々 | 共同通信
*2:赴任後、台湾に近い与那国島を公式訪問するなど、対中国強硬姿勢が目立った