梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

RUSI提言のお披露目会合(後編)

3)世界的な共通利益の増進

・AJCCBC(*1)をASEANにおける人材育成ハブと位置づけ、インド太平洋地域のモデルとして共同プロジェクトを設置

・緊密な連携を通じて国際的なルールと規範を推進

・サイバー危機に対する積極的かつ国際的な支援活動をアラインメントする

 

4)サイバー・レジリエント・エコシステム

・政府の構造やプロセスの構築を通じて得た統合的な知識を提供

・軍事サイバー昨日の開発とその有効かプロセスから得た教訓に付き議論

・サイバー専門家の相互承認を推進

・標準のアラインメントと相互運用性を探る対話を、年2回開催

 

5)その他

・協力を可能にする活動を継続的に支援

・サイバー教育に関するパートナーシップを深化

・英日サイバーパートナーシップの評価報告書を2~3年ごとに作成

 

横浜「港が見える丘」、英国領事館跡の庭園

 広島アコードの効果は大きく、私も参加した経団連の英国へのミッション派遣(*2)も含めて、多くの協力活動が成されている。レポートでもそのリストが2ページにわたって記載されていた。あとインタビューを受けた人たちが本音で語ったようで、有力なある独法について「誰も全く言及しなかった」とあったのが興味深い。

 

 レポート全体を見て感じたのは、英国側の(ロシアに大陸の両端で向き合う島国としての)連携強化の姿勢と、次期戦闘機開発協力に触れられていることなど軍事色の強さ。提言のほぼすべては立派な内容だと思いながら、サイバーセキュリティの内内の話に特化している印象もあった。

 

 参加者のある教授が「セキュリティだけでなく、デジタル社会を支えるインフラとしての(通常の)ハード/ソフト等への関与が薄い」と言っていた。それに加える形で私からは「応用分野にも目を広げるべきで、日英間での安全な情報流通はどうするか?英国の鉄道で日系企業が振動情報などからインフラ保守をしている(*3)例もある。自由な情報流通はTPPにも盛り込んであるので、日英両国でこれを深化させることも検討して欲しい」と述べた。

 

 私の提案は過大だったかもしれないが、企業が経済を推進してこそ、サイバーセキュリティに資する原資も出てくる。だから視野を広げてほしいと、無理を言った次第である。

 

*1:日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター

*2:国家サイバー諮問委員会との会合 - 梶浦敏範【公式】ブログ

*3:時代に取り残されない製造業 - 梶浦敏範【公式】ブログ