梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧

新しいメディア「ラジオ」を利用して

先週地元静岡県のラジオ局から、<セキュリティ・クリアランス(SC)制度>の解説を生放送でしてほしいという依頼があった。「え、ラジオ?」と思ったのだが、メディア事情に詳しい友人によると、 ・映像はネット上に溢れていて、刺激が強めでないと受け入れ…

これが世界市民としての「戸籍」

先月末、複数の証券会社の口座が乗っ取られる被害が発覚した。そこで証券会社各社は、被害者への補償を検討するとともに「多要素認証」の導入を進めるという(*1)。 またマッチングアプリでは、既婚者が独身と偽って登録するなどの行為を防ぐべく、登録時に…

なぜBIの議論が出てこない

少数与党故心配された今年の通常国会だが、私たちが気にしていた「能動的サイバー防御関連法」は無事成立、あと1ヵ月の会期となった今の争点は、選択的夫婦別姓と年金改革法案である。 サラリーマンは基礎年金(かつての国民年金)と厚生年金の2階建てだが…

AIガバナンスはこうなる?(後編)

もうひとつその企業の幹部を悩ませているAI問題が、情報共有とAIエージェント。大きな企業ほど社内での情報共有には苦労していて、同じようなことに挑戦して同じように失敗するなど「右手がやっていることを左手が知っていたら・・・」と思うことは多い。そこで…

AIガバナンスはこうなる?(前編)

日本でも先進的なAI利用企業の幹部と、意見交換する機会があった。多数の事業部門や関連会社で自社利用をするだけでなく、自社サービスの中に組み込んでのエンドユーザ提供することもある。積極利用したい反面、万一大事故を起こせば、お客様の被害はもちろ…

メディアも市場も警告している

参議院議員選挙を控えて、各政党は「減税」論議をエスカレートさせている。特にヤリ玉に揚がっているのが消費税。中でも税率8%の食品などの税率を下げる、もしくはゼロにすべしとの意見が多い。 そんな中、与党自民党は減税策抜きで参議院議員選挙に臨むこ…

SIerとして受けたくない案件

今月、経営・管理ビザで続々来日する中国人のことを取り上げたが、移民・難民排斥を訴える人たちにとってより大きな問題なのは「ノービザ」でやってくる人たち。日本政府がビザを免除している国はたくさんあるが、例えばトルコもその一つ。川口市や蕨市で問…

知能指数という指標

先週「トランプ2.0政権は反知性主義で有名大学などを叩き、これに支持者は拍手喝采している」と述べた(*1)。しかしこの国は、その反面知能指数(IQ)に関心が高く、子供をどうやって高IQ者(Giftedともいう)にするかに、親は腐心しているともいう。 我が…

今こそ「真の自律を」という正論

オバマ政権が「米国は世界の警察官ではない」として、米国の対外関与を減らしたのだが、トランプ2.0政権でそれは決定的なものになった。「Pax Ameicana」を辞めただけでなく、鎖国政策にも見える「トランプ関税砲」を放っている。 加えて同盟国が「安全保障…

「プラスAI人材」の導入始まる

かつての日本産業界は、工業国として製造業が急成長したのだが、それを支えていたのが<総合商社>という業態。資源のない日本のために原材料やエネルギーを買い集め、完成した工業製品を世界中に売ってくれた。 現役時代「新事業」を担当することになり、霞…

デジタル技術者の処遇とAI

私の「Global & Digital」政策活動の目的の一つは、デジタル技術者の待遇改善を企業に求めることであった。特にこの数年は、技術者の中でもセキュリティエンジニアの処遇について議論をしてきた。日本企業の、新卒一括採用・メンバーシップ型雇用・横並び処…

日本が「反知性主義」じゃないなら

トランプ2.0政権(というよりトランプ大統領自身)の暴挙が止まらない。今度は「米国産以外の映画に関税100%!」と言い始めた。 ・映画の国産の意味って何? ・どうやって税金徴収するの? など、突っ込みどころ満載である。これなどは軽めの話だが、次年度…

死者が出廷した裁判

本格ミステリーで時折使われる手法に「ダイイングメッセージ」というものがある。殺人事件の現場で、被害者が死に際に何かを書き残したり、何かを指さしたりすることだ。巨匠エラリー・クイーンは何度もこの手法を使い、晩年の「最後の女*1」では究極のダイ…

標準化が難しかった人名漢字

昨年親父が亡くなり、諸般の手続きの中で戸籍謄本・抄本を入手することになった現代の戸籍はデジタル化が進んでいて、熱海市役所でもすぐに取れるのだが、古いものになるとそうはいかない。1~2週間かけて、尾張一宮市役所から取り寄せてもらった。縦書き…

漂流する日米同盟と2つの訃報

トランプ大統領によれば、日米安全保障条約は「米国は日本を守らなくてはいけないが、日本は米国を守る必要のない片務条約」なのだそうだ。 ・日本に多くの基地を置き ・地位協定という特権を持った上で ・思いやり予算まで受け取っている 米軍なのに、どち…

新たに中国移民が押し寄せる?

本格的な米中貿易戦争が勃発し、米国人も困っているが中国人ももちろん困る。典型的なのは米国で学んでいたり、ビジネスをしている中国人。突然ビザが取り消されることも、覚悟しておかなければならない。富裕層だったり、高度な専門技術を持っていたりして…

核兵器保有国同士の紛争

インド・パキスタン・中国に接するカシミール地方は、3国が実効支配をするエリアに分割されていて、以前から紛争が絶えなかった。いわば「中央ユーラシアの火薬庫」である。2019年にもインド・パキスタン両軍が激突したが、きっかけはイスラム教徒のインド…

インフラ事業者のセキュリティ予算

韓国の通信大手<SKテレコム>で、大規模な情報漏洩事件があった。個人情報漏洩件数約2,500万人分は、韓国に人口の半分ほどにあたる。ただ氏名・住所が漏れただけでなく、利用者のSIMカード情報が盗られたというのは一大事だ。SIMカード情報には、 ・利用者I…

ロボットが人間を補完する社会

昨日紹介したLAWSの発展は、今のような国際環境ではやむを得ないだろう。このようなロボットの(悪用)事例ばかりが宣伝されると、AI&ロボットは、 ・直接的に人類の脅威になるし ・間接的にも職を奪うなどして脅威だ との印象を多くの人に与えてしまう。加…

LAWSの優劣が覇権を決める

国連のグテーレス事務総長は、自律型致死性兵器(LAWS)規制に向けて来年までに協議体を設立するとしているが、LAWSは着実に実用化されつつある(*1)。関連ベンチャーも登場し、ユニコーンやデカコーンの候補も顔を揃えつつある。今回米国テキサス州オース…

情報が溢れたAI時代のリテラシー

サイバーセキュリティ、特にサイバー犯罪の関係者と肩の凝らない議論をしていると、よく話題になるのがデジタルリテラシーが重要か、犯罪リテラシーが重要かということ。もちろん2つ共この業界で生きていくには必要なのだが、個々人によって考え方が異なる…

続々摘発されるスパイ行為

「トランプ関税砲」の影響で世界経済がキリキリ舞いしているせいだが、安全保障系の国際報道が少なくなっている。ウクライナ紛争も、パレスチナ紛争も激化しているはずのに、どうしても報道量は下がってくる。 そんな中、韓国と台湾で気になるニュースが重な…