梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧

息の合った「AI禅問答」(後編)

AIを育てるにはデータが必要。日本にはデータを大量に集めているビッグテックはないが、日本企業には有益なのだが共有されていないデータが一杯ある。これらを活かすために、 ・データを安全に共有できるスキームが必要 ・著作権や個人情報保護の問題はある…

息の合った「AI禅問答」(前編)

この日は、ホテル<ニューオータニ>で自民党平井卓也議員の朝食セミナー。昨年秋に予定されていたのだが、総選挙に突入してしまって延期されていたもの。平井先生には私の所属するシンクタンクもお世話になっていて、種々ある国会議員主催会合でもここだけ…

初任給3,000万円への道

すでに死語となっている言葉「春闘」が、今年も始まっている。最大の争点は「物価高に負けない賃上げ」で、産業界・労働組合に政府までが肩入れして給与UPを目指している。そのこと自体に異論はないのだが、やはり皆で底上げしようというのでは無理がある。…

始皇帝の夢、どちらを選びますか

中国最初の統一王朝<秦>の始皇帝は、不老不死を夢見て様々なトライアルをしたと伝えられる。大規模な墓所に整備された兵馬俑は、死後の(復活を前にした)始皇帝の警護チームだったとする説もある。 数千年後、その夢が叶えられるかもしれないテクノロジー…

日本の「AI新法案」への反応

予算審議ばかりが取りざたされている今国会だが、デジタル屋にとってはいくつも注目される新法や法改正が用意されている。そのうち大きなものの一つが「AI新法案」。すでにパブコメに掛けられていて、4,500件を越えるコメントが寄せられた。 「AI新法案」罰…

営々と築いたものも、失うのは一瞬

イーロン・マスク氏のDOGE省の猛威が止まらない。採用したばかりのメンバーに財務省の機密データを扱わせたり、CDCのデータを消去させたり(*1)している。メディアは、これらの行為を「サイバー攻撃」になぞらえた。もともと200万人の連邦政府職員に退職勧…

米国国債の信用度を測る

イーロン・マスク氏率いるDOGE省の威力は衰えないどころか、激しくなり続けている。彼は<Twitter>を買収して<X>とした時にも、大ナタを振るってリストラをした。公共行政を担う機関に対し、スタートアップのマネジメント方法を適用しようとしている。実…

生成AIもコスパの時代に?

「DeepSeekの衝撃」は、確かにあった。生成AIの研究開発には、優秀な頭脳はもちろん、高性能の半導体・大規模なコンピュータ環境・莫大な電力が必要とされていた。しかしNVIDIAの半導体を入手できないはずの中国企業が、高度な生成AIを開発してしまったこと…

助成金の流通コストも考えて!

国会における、与野党の予算をめぐる政策協議が大詰めに近い。国民民主党が要求する「103万円の壁」議論が相対的に小さくなり、維新の会の「高校無償化」に関する報道が増えた。与党の本気度を想定するに、前者が8兆円ほどかかるのに対し、後者が数千億円で…

トランプ2.0がくれるヒント

ガザは米国がもらうとか、グリーンランドを売れとか、カナダに51番目の州になれとか、ほとんど侵略者のようなトランプ2.0政権である。国内でもCIAの全職員に退職勧奨をするのに加え、財務データから「不正」を暴くとして機密情報に触れ、ブロックチェーン管…

シビリアンコントロールの名の下に

先週国会の予算委員会で、奇妙なもめ事があった。今国会の特徴である「省庁別審査」の防衛省関連の議論で、国民民主党の橋本衆院議員(埼玉13区)が制服組の答弁を求めたのだ。これに対して安住委員長は、シビリアンコントロール(文民統制)を理由に要求を…

データを消去する「最悪の攻撃」

一昨日に引き続いて、イーロン・マスク氏(&DOGE)の暴挙の話。紹介したのは、正式なセキュリティ・クリアランス(SC)資格を持たないDOGEメンバーが、機密にアクセスしているという懸念があるというものだった。これを<Forbes誌>の記者は「サイバーセキ…

米国と機密情報共有してもいいの?

石破総理は初のトランプ大統領との会談の前に、能動的サイバー防御(ACD)法案を閣議決定して渡米した。この法案の内容については、過去に何度も取り上げ、その時点から大きく変化はしていないので、今日は愚痴(*1)は言わない。 攻撃元にアクセスし無害化…

電磁波で「AIモデル」を覗ける!

昨年末、Googleのサイバーセキュリティ専門家と意見交換したことを紹介した。その中で、AIのリスクとして挙げられていたのが、 ・データ自体に毒を入れられる ・通信インフラ上でデータが歪められる ・モデル生成中の分析で、データが誤ったり偏る ・生成さ…

自分だけの小説を書いてくれる!

AI

デジタル社会になって、いくつかの分野では<マス・マーケティング>が切り捨てられようとしている。消費者は「大衆向け~特定層向け~自分だけの」ものが選べるようになって、特にこだわりある商品については強く「自分だけ」を求めるようになっている。昔…

「金貸し」はリスキービジネス

20年ほど前のことになるが、金融業界のデジタル規制緩和のお願いをしていて、当時の金融担当大臣と安全保障の話になったことがある。冷戦が終わり、核大国ロシアの脅威が減り、中国の台頭もまださほど深刻ではなかったころだ。日本経済はバブル崩壊の痛手か…

「デジタル教科書」はほぼ0点

初等中等教育に「デジタル教科書」を使おうというアイデアは、ずっと以前からある。義務教育は特にDXの遅れている分野だが、デジタル化について一番盛り上がったのは、菅(スガ)総理、平井IT担当大臣のころだったと思う。抵抗勢力に成るかと思われた荻生田…

当然とはいえ素早い反応

先週に引き続き「DeepSeek」の話題。早速米国側からいくつもの反応が起きている。 1)既存のAIを盗用したものではないかとの疑惑 DeepSeekがデータ不正利用か OpenAIとMicrosoft調査 - 日本経済新聞 この記事では、データが不正利用されたとあるが、もっと…