その後、医療分野でのデータ共有・活用の課題や、リモート手術や手術のサポートをするAIの紹介があった。複雑な神経系を対象とする手術の録画映像が流れ、
・緑色で表示しているのは、斬ってはならない神経系
・赤色表示は、手術の対象となる神経系
などの説明があり、効果がヴィヴィッドに伝わってきた。締めのパネルディスカッションの前には、3社の医療・健康DXを看板にしたAIベンチャーが登壇した。
・純粋にソフトウェアだが治験も経て「薬事承認」を受けている、依存症治療などに資するアプリ提供企業
・楽しみながら健康増進できるゲーム感覚のアプリと大量のレセプトデータから、ビッグデータサービス提供を可能とした企業
・ウェアラブルデバイスなど各種デバイスと医療プラットフォームを結ぶ、独自アルゴリズムを提供する企業

昨今血圧計を捨ててスマホの画面に指を当てればいいというアプリも出ているが、逆に血圧計がウェアラブルになって24時間モニターした上で、AIによって会話機能を持ち、
僕:昨日飲みすぎちゃったけど、どうだった?
血圧計:ちょっと最低血圧が高めですね。脈拍も早い。一体何を飲んだのですか?
僕:ボルドーの赤が、すき焼きによく合ったのだよ
血圧計:ボトル半分以上呑んでたら黄信号ですよ。2ヵ月前、旅行の時に羽目外したアレのように
という具合に、健康管理ができる未来も近いようだ。

自ら興したベンチャーもあれば、企業内ベンチャーもある。共通しているのは、慶應SFC出身者が中枢にいること。長年の起業家育成教育の効果があって、SFCネットワークが稠密化してきている印象だ。海外に比べてベンチャーが少ないとされる日本だが、SFCという環境(技術や知識だけでなく、人脈や経験者からのアドバイスも)が、彼らを成功への道に進ませていると感じた。特に医療(健康はまだ制約が少ない)分野は、DXが難しい。彼らの柔らかな発想と、それを支えるこの日集まった識者の知見で、日本発のAIベンチャーが増えていくことを期待したい。