梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

AI女優の登場と映画への関税

 歌舞伎界を描いた映画「国宝」がヒットしているという。京都先斗町歌舞練場でのロケが多かったとの報道を見て、ちょうど2024年の6月頃ロケ現場に遭遇したことを思い出した。

 

実写映画の《歴代興行収入トップ10》に『国宝』食い込む!上位の顔ぶれは"洋画が多数"。『アバター』『ハリー・ポッター』超えなるか展望予測 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン

 

 日本の映画がヒットするのは嬉しいのだが、この記事中に「実写映画のTOP10」という表現があったのに気づいた。そうか、実写じゃない映画が増えてきて、しかも興行収入を揚げるものだから「実写映画の・・・」という区分が必要になったのだろう。

 

京都木屋町高瀬川沿い

 日本映画の例で調べてみると、歴代興行収入ベスト3は「鬼滅の刃」や「千と千尋の神隠し」など全てアニメ。ようやく8位に「踊る大捜査線」が入って、これが実写版の最高位。非実写版には、アニメーション、CGアニメーション、CG中心の「超実写」という区分があるようだ。

 

 今回ハリウッドでは、本格的なAI女優「Tilly Norwood」がデビューしたという(*1)。彼女が出演する映画は、「超実写」に区分されるのだろう。当然彼女は、関係各界からの猛批判にさらされることになる。すでにハリウッドではスタントマンの仕事が急減しているが、一般の俳優の仕事も間違いなく減る。

 

 また、中国やインドの映画も増えていて、決してハリウッドは映画のメッカとは呼べなくなっている。ハリウッドは何度目かの不況に見舞われそうだ。そこに登場したのがトランプ2.0政権。ノーベル平和賞獲得に必死になっていて、忘れていると思ったのだが、この話はしっかり覚えていた。

 

米国外で制作の映画に100%の関税へ、トランプ氏警告 | ロイター

 

 コンテンツ産業はインターネット経済における次の有望産業である(*2)。だから目の付け所は悪くないのだが、どうやって関税を掛けるのか?この件も「モノにではない関税」の一つとして、推移を見守りたい。

 

*1:AI女優Tilly Norwood、ハリウッド俳優から猛批判 ― Particle6が専門事務所Xicoiaを設立

*2:コンテンツ産業の再編始まる? - 梶浦敏範【公式】ブログ