シンガポール最後の訪問先は、スマートモビリティ企業「SWAT*1」。2015年創業で日本市場にも2020年に進出した。スタートアップではすでになく、起業家が憧れる企業になっている。交通・物流分野のルート計算が得意で、乗り換え案内やオンデマンド交通を含め、各種アプリにルーティングのAPIを提供している。
世界中に競合と思われる企業は5~7社あるが「世界一のルーティングアルゴリズム」を持っているので、優位にあると説明してくれた。ヒトの移動にしても、荷物の物流にしても、運転者・車のサイズや特徴・道路事情などを細かく勘案しないと、使えるルーティングにならない。

9ヵ国の200以上のプロジェクトで、160万のルート計算を行った。その中には、日本の20箇所以上の地域でのプロジェクトが含まれていた。日本での地図はゼンリンのものを使うことが多い。
企業理念としては「移動そのものは目的ではない。消費行動をどうサポートするか」だという。今は交通・物流の予測からルーティングだが、いずれは自動運転につなげていけると自信をのぞかせた。事業を支える技術は3つ。
1)特許で守られたルーティングアルゴリズム
2)200以上の変数(パラメータ)
3)複数のマッピングレイヤ
最後のものは、地図にも何種類かあり道路の細かな仕様や目的地の属性なども勘案しているという意味だろう。キーになるのは2番目のパラメータで、この移動がどういう目的をもって行われるか、どういう手段が採り得るかなど、ユーザニーズによって変数をどう組み合わせてシミュレーションするかにノウハウがあると思われる。
その範囲内では、間違いなく優れた技術である。ただ、もっと改善する余地はあると思った。変数に含まれるかもしれないのだが、付近の人流や他の車の情報なども利用できれば、予測精度は増していく。反面、個人情報保護などで批判されることもあり得る。面白いデータ活用型企業で、今後の発展に注目したい。
*1:SWAT Mobility | Vehicle Routing Technology Leader in Asia