先月、京都府南丹市で起きた児童失踪事件は、殺人・死体遺棄事件に発展した。暗い「こどもの日」になってしまったのだが、本件に絡んでネット上でも事件が起きていた。
南丹市事件で露呈した"専門家"の暴走 「推理ごっこ」を煽った無責任と捜査に支障をもたらした罪 | ライフ | 東洋経済オンライン
単なる失踪事件とは、警察の初動が明らかに異なっていた。大勢の捜査員を繰り出して「山狩り」のような捜索をするなど、表面に出ていない何らかの情報を持っていたと思われる。犯罪者に圧力をかけ、動きを誘って(*1)証拠をつかもうとしていたのかもしれない。後に明らかになるが、付近の防犯カメラ映像も、徹底的にチェックしていたと思われた。

メディアも捜査機関の動きに注目して、多くの報道をした。バラエティ番組に「専門家」なる人物が登場し、ある意味無責任な推理を展開したという。それらの報道を受けて、ネット上でも(さらに)無責任な推理が拡散した。曰く、
・家族の行動に不審な点がある
・児童の養父となった男は中国人だ
・養父の犯罪に母親も加担したのでは
等々である。報道を見て飲み屋で交わすヨタ話のノリなのだが、これがネット上に載ると猛烈な勢いで拡散してしまう。にわか名探偵が溢れてしまう(*2)のだ。上記の記事ではこれらの状況を危惧していて、視聴者個人のリテラシーとともに、プラットフォーマーによる何らかの措置が必要だとも述べている。ただ膨大なデータを扱わなくてはいけないプラットフォーマー側もできることはやるのだが、AIを使って大量データを捌くと非難されることもある(*3)。
コンテンツモデレーションのルールは決まっているので、それをいかに漏れなく実施するか、プラットフォーマーの努力を期待するとともに、努力しているプラットフォーマーかどうかを「見える化」する必要もあるかもしれない。
*1:例えば、死体の場所を移させたり、殺害現場を再訪させたりするようなこと
*2:識者の中には、警察が正しい情報を記者クラブ外で(例えばSNSで)発信し、誤情報を打ち消せとの意見もあるが、捜査中の情報の逐次開示は難しいと思う