「トランプ関税砲」にどう立ち向かうのか、日本政府は個人へのバラ撒きは見送りながら、企業への助成は拡充するようだ。すでに自動車メーカの中には希望退職を募る動きもあるから、やむを得ない面はある。
では各企業の対応はどうか?当面様子を見るのは普通の考え、いつ流れが変わるかは分からない。例えば<Ford>は、中国への輸出を一旦止めた。一方、生産を米国に移そうとの動きもある。あからさまなのは値上げ。中国の激安ECサイト<Temu><SHEIN>は関税分の値上げを決め、消費者に関税分をはらってもらうことにした(*1)。
ここに関税砲対策のお手本になるかもしれない企業がある。それはフランスの高級ブランド<エルメス>。

中国も含めて富裕層の財布が厳しくなり、高級ブランドは不況と思っていたのだが<エルメス>は例外(*2)らしい。好調な業績を背景に米国ではさっさと値上げ、逆にフランスでは価格を抑えめにして「買いたければ、パリに来てね」と米国富裕層に言っているようだ(*3)。
さらに中国での製造を縮小して、フランスに工房を戻している。トランプ先生がやりたかった「自国に製造業を戻す」ことを始めた(*4)わけだ。もちろん業績がいいからではあるが、<エルメス>の経営方針ははっきりしていて、結果も出ている。いいスパイラルに入っていると言えるだろう。中国で製造して米国で売るモデルから、全部フランスでするように動いている(フランス・ファースト)のは、トランプ先生が求めたものだろうが、フランスのお手本企業が先にやってしまった。
*1:関税引き上げで「来週から値上げ」、中国ネット通販のTemuとShein|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
*2:LVMHなどフランス高級品大手、24年の業績明暗 エルメス売上高2桁増 - 日本経済新聞
*3:エルメス 、米国で全製品を値上げ アメリカ人の「欧州買い」さらに加速か | DIGIDAY[日本版]
*4:仏エルメス、フランス国内に工房を次々と新設 高級ブランド不況を尻目に | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)