AI需要の急増によって、GPUが増産されデータセンターも増えている。ある種のブームなのだが、人によっては「バブル」と言うかもしれない。いつか供給過剰になって、ブームは終わり、のちに「〇〇バブル」と歴史家が言うことになるのはよくあること。データセンターブームにも、ちょっとその気配が見えてきたかもしれない。
マイクロソフト、米欧のデータセンター計画から撤退-TDカウエン - Bloomberg
この記事では、Microsoftはデータセンター計画からの撤退理由を「供給過剰が原因」と述べているし、他のビッグテックもデータセンターの成長が鈍化すると見ている。米欧とあるのは、米国の政治状況が不安定なこと、欧州の安全保障に影が差していることが背景にあるのかもしれない。

サイバーセキュリティと国際政治の専門家が共著した「サイバー空間の地政学*1」では、データセンターはネット社会のグラビティ(重心)だと述べている。しかし上記の動きでは、すでに供給過剰の可能性が見えたコモディティ(消耗品)になっているのかもしれない。
グラビティかコモデティか、実はその二兎を追うことは可能だ。グラビティゆえテロなどから護る必要があるが、それはデータセンター事業者に任せ、利用側は「使えるセンターをリアルタイムに切り替えて使う」ことができるからだ。テロリストも、全てのデータセンターを同時に破壊することはできない。
提携関係にあるMicrosoftとOpen-AI間でも、Open-AI社が必要に応じて他のクラウドを使うことができるとある。そもそもインターネット経済は水平分業、どのサービスや設備を使うのも(リアル経済に比べると)自由度が高い。データセンター建設には相応の時間がかかるのだが、あまりに手間取っているとその間に価値が下がってしまうのだ。それはデータセンターが必要とする電力も同じ。発電所や送電設備も、十分な投資回収が見込めない事業になってしまうかもしれないと、予想させる記事だった。