梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

市場としての中国は貴重

 中国通の友人から、ちょっとディープな話を聞く機会があった。彼は私と同い年だが、高校時代に田中角栄周恩来が乾杯(日中国交回復)しているニュースを見て、

 

「これからは中国だ。中国ビジネスで一旗揚げたい」

 

 と中国語学科に進んだという。楽な仕事がしたいと現場に出なくていい情報工学科を選んだ私とは、人生に対する姿勢が違う。彼は大手企業で中国ビジネスを立ち上げ、取り仕切った。その企業を辞めた今でも、中国ビジネスに対する熱意は冷めていない。彼によれば、

 

・若手の失業者は、失業率に含まれない未就労者もいて、非常に多い

・不動産企業の倒産や地方自治体の財政悪化など、懸念材料は多い

・しかし日本の4倍のGDPをもつ大国であり、アジア唯一無二の巨大市場

・これを無視したり、デカップリングしようとするのは愚策

 

        

 

 と日本企業に中国市場への進出を勧めている。ただ無為無策で出ていけば、痛い目にも遭う。十分にかの国のことを理解し、事業の進め方を練ったうえで進出したり維持・拡大すべきだという。しかしアステラス製薬の社員が現地て逮捕された件もあって、日本人ビジネスマンは渡航に及び腰ではという話もある。

 

中国がアステラス製薬社員を拘束した「本当の狙い」、元公安捜査官が解説〈再配信〉 | 元公安捜査官が教える「見抜く力」 | ダイヤモンド・オンライン

 

 これに対し彼は、

 

・2014年から17名の日本人ビジネスマンが逮捕されているが、1年に1~2名のこと

・上記の記事は元公安警察の人が書いているが、中国政府は日本の公安警察がビジネスマンを使ってスパイ行為をしていると疑っている

 

 と、普通のビジネスマンは空港内や橋などの写真を撮ったりしなければ安全だという。彼としてはもっと多くの日本人ビジネスマンに、貴重な市場である中国に足を運んでもらいたいのだ。ただ留意事項はあって、不用意なものは持って行かない、(日本ででも)妙な人に接触しない、携帯電話やPCは中身をみられることを覚悟していくなどを教えてもらった。

 

 妙な人には、中国当局が警戒する日本の警察関係者も含まれるようで、警察庁の審議会委員だと私が言うと「それだめだね」との回答。かつてRCEP会合で中国関係者とやり合ったことや台湾のITRIとの親交が深いことも含めて、やはり渡航は無理かなと思った次第である。