トランプ2.0政権最大の愚挙は、イランへの深謀遠慮も戦略もない攻撃だったと、後世の歴史家は話し合うだろう。米軍・イスラエル軍の威力には感心するが、結果として、
・イランの体制中枢には大きな被害はない、ただ若返ってより強硬になっただけ
・世界経済のチョークポイントとも言うべきホルムズ海峡が事実上閉ざされた
・イランの報復によって、米国内を含むあらゆるところが戦場になる
状況を作り出してしまった。湾岸の米軍基地やイスラエルへの攻撃、殉教をいとわないテロに原油を武器化した経済戦争まで惹起したことになる。そして、やはりインターネット上の闘いも始まっていた。
イラン系ハッカー集団、米医療機器企業に「破壊的な」サイバー攻撃

医療機器やサービスを手掛ける米国企業「ストライカー」にイランのハッカー集団が攻撃をかけ、機能停止に追い込んだとの記事だ。よくある「身代金目当て」のランサムウェアなどではなく、システム(内のデータ)を消滅させるワイパ-のようなものが使われたと思われる。
イランの中枢組織「革命防衛隊」は、AIやクラウドへの攻撃を予告していて、UAEにあるAWSのデータセンターを物理的に攻撃したのに続き、GoogleやNVIDIAなどデジタル系の主要7社をリストアップしている(*1)とも伝えられる。
「革命防衛隊」との結びつきが父親より強いとも言われる新指導者モジダバ・ハメネイ師は、最後の血の一滴までと徹底抗戦を主張している。もちろん正面装備では米軍・イスラエル軍には対抗できないので、ここは(まだ弱かった)中国軍が唱える「超限戦*2」を展開することになろう。軍事のほか、超軍事であるサイバー攻撃や心理戦、麻薬や密輸なども使って相手を苦しめたり、非軍事である貿易・資源・イデオロギーで相手を締め上げるもの。
多くの国が米国(&イスラエル)と距離を置こうとしている中、日本は米国の同盟国と認識されている公算が高い。日本企業も「超限戦」の目標になっていないという保証はなさそうである。