梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

この人物はやはり「危険」では?

 その人の名を初めて聞いたのは、1年ちょっと前。11月の大統領選挙を控えて、共和党大会が開かれたニュースがあった。大会ではトランプ候補が共和党候補として確定し、副大統領候補に(私たちは知らなかった)J・D・ヴァンスが選ばれている。

 

最も危険な上院議員 - Cyber NINJA、只今参上

 

 当時若干39歳の上院議員だが、プアホワイト(彼はヒルビリー:田舎者と呼んでいる)の集団から、海兵隊経験により大学進学、ロースクールの道が拓け、実業家を経て政界に進出した立志伝中の人物である。彼を有名にしたのは、31歳の時に出版した「ヒルビリー・エレジー」という回顧録

 

ヴァンス米副大統領が創出した「神話」の力 『ヒルビリー・エレジー』を読み解く(中央公論) - Yahoo!ニュース

 

 のような記事を読んで、凄絶な少年時代を送ったことは分かっていた。

 

        

 

 私たちから見れば同じ英語なのだが、ヒルビリーの言葉とTVニュースキャスターが話す言葉は違う。やはり上流階級、アイビーリーグ等の学歴を持つ人たちの英語なのだ。米国には多くの分断があるが、南部訛りなどとは違う言葉の分断があったということ。

 

 今回その書の邦訳が手に入ったの読んでみた。500ページほどの中に、ものすごい落差が読み取れた。

 

プアホワイト、真実の物語 - 新城彰の本棚

 

 5度も夫を変えた母のもとではなく、主に祖父母に育てられたと作中にある。祖父母はアパラチア山脈の寒村ジャクソンにいたので、西部開拓時代のような暮らしをしていた。オハイオ州の町ミドルタウンで学校に通うようになるが、そこもスラム街のようなところ。大学進学をあきらめて海兵隊に入ったことで転機が訪れる。それでも、

 

オハイオ州立大

・イェール大学のロースクール

 

 と進学していく過程で、言葉を含め全く違った世界に足を踏み入れたとある。回顧録の終盤で「子供の頃虐待されて育った人はキレやすい」と自らを戒めていることを告白してもいる。

 

 トランプ大統領は自らの三選に含みを残しながら「後継者はヴァンスだ」と語った(*1)。次に世界一二を争う核のボタンを持つ人物が育ちの問題でキレやすい・・・などとはなってほしくないのだが。

 

*1:大統領選挙:トランプ氏、バンス氏が後継者になる可能性が「最も高い」…自身「3選」にも意欲にじむ:アメリカ選挙2024 : 読売新聞