2023-01-01から1年間の記事一覧
続いて説明に立ったのは、シンクタンクの上席研究員。民間人だが政府の安全保障期間への出向経験があり、今も某機関を兼職している。日本には民間人も対象としたセキュリティ・クリアランス制度はまだなく議論途上だが、公務員を対象とした機密保持に関する…
この日は、経団連会館でサイバーセキュリティの関連会合。テーマは「安全保障の中のサイバーセキュリティ」で、この分野が専門の大学教授とシンクタンクの上席研究員がゲストスピーカーである。 一般企業では、産業界のサイバーセキュリティ振興や、産業政策…
英国が主催した「AI Safety Summit」の記事が、いくつか出てきた。その中で一番面白かったのが、スナク首相とイーロン・マスク氏の対談。<Forbes誌>はその光景をシュールだったと評している。 イーロン・マスクが英首相に語った「AI関連の珍発言」5つ | Fo…
東欧に続いて中東でも火の手が上がり、リアル空間での戦闘も激化しているが、見えないサイバー空間での戦闘も同様に激化しているはずだ。リアル空間ではそれなりの法規制、条約等の枠組みがあるが、サイバー空間ではそれも乏しい。紛争当事国以外も比較的自…
ある会合で、Fortinet-JapanとALAXALAネットワークスの幹部とお会いした。Fortinetは、世界最大手の統合脅威管理(UTM)の製造販売メーカである。激化するサイバー攻撃の大半はネットワーク経由だから、ネットワークセキュリティの最大手ということで、サイ…
今週のNHK「日曜討論」、テーマは人手不足と賃金UPだった。普通の経済モデルでは人手不足なら賃金が上昇するのだが、今の日本はそうなっていない。その原因は、 ・非正規労働者が増えすぎた ・労働組合が正社員しか守らない ・ブラック企業が少なくない ・多…
(財)企業情報化協会(通称IT協会)は、企業のDXなどを促進するためのイベントや勉強会を多数企画・実施している。私もいくつかの企画に参加させてもらっているが、中心となっているのは「サイバーセキュリティ戦略マネジメント研究会」。今年で第9期を迎…
先週、英国で「AI Safety Summit」が開催された。ウクライナ紛争・中東危機・台湾海峡の緊張などで、グローバリズムは終わったと言う有識者もいるが、国境のないサイバー空間が経済社会に占める比重が飛躍的に増えていて、国境を閉ざすことの意味は小さくな…
また、米国大使館からお声がかかった。本国から専門家が来たので、意見交換をしたいということ。専門家のCVは添付されていて、長年政府機関で国家安全保障に携わり、この20年程はサイバーセキュリティを専門としていて、今は某セキュリティ企業に所属してい…
イスラエルが闘っている相手は、テロリストとしての<ハマス>なのだが、<ハマス>はイランからの支援を受けなければ存続できていない。レバノンにいてイスラエル北部を脅かしている武装組織<ヒズボラ>同様、イランがイスラエルに向けた「刺客」と考える…
これまで何度か、デジタル(&AI)に関してフェイクを流すことがあると注意を喚起してきた(*1)。これまでのメディアとは桁違いの速度で、情報が生成・加工・拡散されてしまい、社会に大きな影響を与えるからだ。その拡散力は、例えば「#増税メガネ」がト…
巨大IT企業の代表格は、俗に「GAFAM」と呼ばれている。私も彼らとは種々の交流をしてきて、今でもお世話になることが多い。ただこの中で全く付き合いのないのが、旧フェイスブック、現メタ・プラットフォームズである。理由は私のビジネス経験がBtoB型に限ら…
ロシアのウクライナ侵攻にあたっては、侵攻前からロシアのサイバー攻撃がウクライナの社会インフラなど重要施設に向けられていた。被害は出たものの、巨大IT企業の助けを借りたウクライナ政府は、 ・電子政府の疎開 ・政府システム等の(ウイルスの)チェッ…
だから私のビジネス人生の大半は、IT市場拡大に費やされた。具体的には、 ・市場を知るためお客様の状況を学ぶ ・市場にアクセスするため、パートナー企業(例:商社)を捜す ・デジタルが使えない規制の緩和に向け、業界団体・政界・官界と接触 ・サイバー…
先週「AIモデルのCM」が登場したことを紹介したが、IT業界にいる者にとっては、生成AIのプログラミング能力の方が気になる。生成AIが(使い方によっては)高度なプログラムを、非常に短い時間で書き上げることができるからだ。日本のIT産業、特にSIerと呼ば…
強硬なイスラエルの、特にネタニヤフ首相が就任して以降のパレスチナへの圧力は確かにひどい。しかし抵抗運動とは言っても、5,000発ものロケット弾を撃ち込み、壁を越え空から、海から同時に侵入して民間人を虐殺し、200人あまりの人質を攫ったハマスの暴挙…
かつては、家庭に朝刊が配られ、サラリーマンは通勤途上でスポーツ紙を読み、帰宅すれば奥さんが夕刊を広げている・・・そんな日常があった。しかし今では、全国紙の雄だった朝日新聞ですら部数を減らし続けている。市民の多くがネットメディアに拠り、新聞を読…
Huaweiの最新型スマートフォンについて、西側諸国では「信じられない」との声が出ている。少なくともハードウェアについては、Apple社のものと遜色がないと評価される。特に7ナノ級の技術を使った半導体が採用されていることに、関係者が驚きを隠さない。 …
生成AIの登場は、各方面に大きなインパクトを与えた。 ・いよいよAIが人間を超える ・人間の職場がAIに奪われる ・AIを使えるか否かで、人の価値が二極化する といった言説が、紙メディアにもデジタルメディアにも散見されるようになった。かつて、米国の有…
勧めてくれる人がいて「The Good Life」という本を読んだ。およそ1世紀にわたり、総勢1,300名超の人生をトレースし、膨大なアンケート結果の蓄積を基にした「幸福の科学」である。 ハーバード成人発達研究の成果 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp) 結論は、良い…
いわゆる「フェイクニュース」が続々現れ、デジタルメディアを通じて世界中に拡散してゆく。単なる言葉の「嘘」でも、社会に大きな影響を与えることがあるのに、今はより信じられやすい映像の形で広がっていくのが恐ろしい。 かつてボスニア・ヘルツェゴビナ…
この日は久しぶりに経団連会館にやってきて、外務省のサイバー大使/審議官の話を聞くことができた。大使は「日本のサイバー外交」と題して講演。国家安全保障戦略中にサイバー分野が盛り込まれたこと、通信の秘密(憲法21条)がある中で日本としてどのよう…
中東情勢が一気に緊張した。1週間前のハマスのロケット攻撃に始まり、イスラエル軍のガザを空爆。ハマスは外国人を含む100名以上の人質を取り「空爆すれば人質を殺す」と脅迫した。米国が直ちに「イスラエルと共にある」と宣言したのは当然として、英仏独(…
ある政治討論番組で「なぜ日本経済は低迷しているのか?」が議論されるシーンがあった。よくあるテーマだが、議論していくうちに、 ・アメリカの陰謀にやられた ・不良債権処理を誤った ・画一化された教育が良くない などととっちらかってしまうのが常であ…
今年は、日本とASEANの交流開始から50周年にあたる。さまざまなイベントが企画されているとのことだが、この日は「日ASEANサイバーセキュリティ官民共同フォーラム」に参加するため、旧知の<明治記念館>にやってきた。もともとは明治憲法の草案を練った施…
日本ではGDP比2%の防衛費に向けた議論が進んでいるが、もしそうなると世界で3位の軍事(大)国に位置付けられるという。そんな国が「戦力不保持」を憲法に謳っているのはどう考えてもおかしいので、憲法改正の議論は必要だと思う。日本が「議論」の段階を…
あるデジタル系の協会が主催する「デジタルデイズ」というイベントに参加することになった。Web上で1ヵ月に渡り企業のデジタル化(DX)について、各社の事例や課題を共有し、対策を話し合うのがテーマ。私が招かれたのは、最終日の後夜祭とパーティを兼ねた…
各国の成長率が鈍化している中、「失われた30年」だった日本経済に成長の兆しが見えてきた。4~6月期のGDP成長率が年率換算6%を越えていることがその証だし、これからへの期待も、 ・大企業中心に大幅ベースアップ ・初任給1,000万円以上の待遇も ・公務…
先週、日経紙の一面に「政府端末に国産サイバー対策ソフトを」との記事が載った。個人用にしても法人(機関)用にしても、サイバーセキュリティソフトウェアやソリューションに、日本オリジンのものは少ない。以前経産省が「国産のセキュリティ産業を育成す…
拒否権を持つ常任理事国であるロシアが、自ら紛争当事国になったことで、より一層無力感が深まっているのが国連の安全保障理事会。しかし国際紛争の解決に向けた、全世界的な活動機関としてはここしかなく、無駄とは分かっても議論を続けなくてはいけないの…