梶浦敏範【公式】ブログ

デジタル社会の健全な発展を目指す研究者です。AI、DX、データ活用、セキュリティなどの国際事情、今後の見通しや懸念をお伝えします。あくまで個人の見解であり、所属する団体等の意見ではないことをお断りしておきます。

世界の10大リスク2025(WEF:後編)

 <WEF>のリスク分析につき、前編では今年のリスクを紹介したが、昨年は当面(今後2年)と中期(10年間)のものを紹介している(*1)。その変化はどうなったのだろうか?当然ながら10年間の方に、大きな変化はない。2年間の方を見ると、

 

<WEF2024>

1位 誤情報と偽情報

2位 異常気象

3位 社会の二極化

4位 サイバー犯罪やサイバーセキュリティ対策の低下

5位 国家間武力紛争

6位 不平等または経済的機会の欠如

7位 インフレーション

8位 非自発的移住

9位 景気後退(不況・停滞)

10位 汚染(大気・土壌・水)

 

    

 

<WEF2025>

1位 誤情報と偽情報

2位 異常気象

3位 国家間武力紛争

4位 社会の二極化

5位 サイバー諜報活動とサイバー戦争

6位 汚染

7位 不平等

8位 非自発的移住または強制退去

9位 地経学上の対立

10位 人権および/または市民の自由の侵食

 

 1~2位は変動なし。AIで精緻な偽画像が作れるので、詐欺の手口が巧妙化した例がある。異常気象についても、現在も鎮火しないカリフォルニア州の大火災を見れば明らかだ。国家間武力紛争が3位に上ってきたのは当然で、東欧で、中東で、アフリカで、南アジアで、台湾海峡で戦果が続いたり緊張が高まっている。

 

 二極化の意味は2つか?韓国や米国の国家分断もあれば、欧州のように極左・極右の台頭もある。格差も広がり米国などは「金持ちの金持ちによる金持ちのための政治」が始まったとも言われる。

 

 サイバーセキュリティ関連は、4位から5位に順位はさげたが、中身の違いが大きい。犯罪レベルだったリスクの質に比べ、諜報や戦争とレベルが上がってしまった。犯罪を無視していいわけではないが、より高度なリスクに世界がさらされているということだ。

 

 その他では、汚染が順位を10位から6位に上げたのが気になる。ひょっとして核紛争を想定してのことだろうか?1年間で、随分深刻度が増したと感じるWEFの短期予測だった。

 

*1:世界の10大リスク2024(WEF) - 梶浦敏範【公式】ブログ